<2007.9.9> 過日を辿り

・・・晴れ・・・

久方振りと成る この場所に立ってから ずっと感じてた

それは何とも例え様のない感覚 何かに見られてる?

確かな気配  陽が昇れば200m先も見渡せる校舎跡

その闇の中からか? 或は”熊出没注意”の看板から

背後を囲む森の中か 広場の向こう側には古い民家が

有った筈 ヘッドライトの頼り無い明りに導かれその前に

立ってみた 仲の良さそうな老夫婦が 時折顔を出した

住居は今 窓という窓全てを分厚い板で閉ざし この界隈

生業が絶えて久しい事を知る 

恒例の夜宴が始まっても それは私の平常心を逆撫でし

友との会話も遮り闇中を凝視してしまう 何者なんだこの

気配の主は 

深夜も3時を廻り 少し眠る事にした 二人には車中を

勧め 何時ものように地べたにごろ寝 星を眺めながらの

今回の釣りあれこれに思いを馳せる 今日は良い天気に

恵まれそうだ。。。。。。。

恒例の夜宴に

何時ものごろ寝のその後で

どれ程寝入って居たのだろう? 或は僅かの時間だったのかもしれない ”起きろ!” 身体の奥深い処からの

警告に 朦朧とした頭を揺すり起す 夜明はまだ先の様子で 1つだけ消さずに置いたランプに浮かび上がるのは

何も無い どうしたんだ今夜は もう少し寝なければ・・・・・・・ 身体を横たえると 間違い無い確かに何かが居る

其れも相手との間合いは10mと無い 明りの届く範囲と出て来い!    チラッ! 動きが確認出来た 見え隠れ

しながら現れた陰は何かを語り掛けて来た ”@$%&#” 聞き取る事が出来なかった 人間?其れは間違いない

しかし今や渓の対岸にしか住居は無く ましてやこんな時間帯? 気配の主は小柄な老人で そのいで立ちと言えば

昔子供が着た様な丈の短い着物 足元は穿き古したゴム長靴 ランプを置いたテーブル鋏みボソボソと語り掛けて

来た 言葉はこの地方特有訛りも薄く判り易い どちらかと言えば都会化した喋りで  そうかあの気配の主はこの

爺さんだったのか しかし漆黒の闇の中 背後を突くような山手からの迫り方 何のために??

リァゲート開放したまま寝入る二人も 私の声に事の変化

成り行きは気付いて居る筈 だが起き出しては来ない

聞き耳を立てているのだろうか? 出現の不自然さにも

地元住民の礼を忘れず応対し 此方からも問い掛けた

”処でお爺さんは 此処に有った学校の卒業生かね?”

”○○の○○○だ あんた知っとりなさるかん”

知る訳が無いのだが 続けた話に目が点に成った

”この季節 地べたで休んで風邪ひかぬ様に 風は温とぉ

成り居ったが油断は禁物 ほれ 其処の広場はまんだ

凍てつき凍りついとるしぃ 除雪の雪も二三日前にやっと

溶けたところだ 身体を冷さんようにして下され冷えて

くるでのぉ。。” 言い残すと老人は闇の中に吸い込まれ

消えていった  凍てつくぅ?除雪ぅ?? 夢でも観たのか


漁協の存在しない渓中心の探索行は 二昔も前なら

釣れ過ぎて面白くない等と 贅沢な不満を抱く場所だった

しかし何処の釣場においても言える事なのかもしれないが

此処何年かの 釣荒れ 出水等での興廃は著しいものが

有って 既に機能不全に陥ったかのようだ? 当時を

思い返すと 隔世の感があり 意識の中でその違いが

スライドしては 又溜息が洩れる

                            oozeki


(関連画像の多くは 後日ぎゃらりぃにてUP致します)

薄暗い谷中で攻めるルアーマン

壊滅的な打撃を受けた渓にもチビが姿を

別水系のメタポヤマメ